敷金返還請求事件
敷金返還請求事件
敷金とは
- 敷金とは、賃貸借終了の際に賃借人に家賃や地代の滞納
その他の債務不履行がなければ返還するとの約束のもとに、
貸主が金銭を取得するものです。
- 権利金といった場合には、貸主は、敷金のように返還義務を負わないものであり、
保証金といった場合には、敷金のように返還義務を負う性質のものです。
しかし、名目上がどうであれ、敷金と同一の趣旨で貸主に支払われたものであれば、
敷金返還請求訴訟を提起すべきでしょう。
貸主側の主張
- 貸主は、賃貸借の終了時に、賃貸人に修繕義務を求め、
敷金の一部または全部をその費用に充て、敷金の返還を
拒む主張がなされます。
- 賃貸借契約書には、修繕特約が記載されている場合がほとんどですが、
原則として、賃借人に修繕義務を課したものではありません。
- 通常損耗について、賃借人に負担させるには、
通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、
賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、
それを合意の内容としたものと認められるなどが必要です。
- 畳や襖が賃借人の入居時に新しいものに交換してあったとすれば、
特別の事情ありとして、賃貸人の主張(修繕義務)が認められる可能性が
強いと考えられます。
- 給湯設備の取替などは、大修繕とされる可能性が強いので、
特約があっても、その特約自体が無効です。
- 建物明渡時のハウスクリーニングについては、その特約がある場合、
金額が相当であるなどの合理的な内容であれば、その特約は
有効であると考えられます。
- その他、賃貸人の側からは、通常損耗以上の損耗であるとの
主張をすることになります。
敷引きについて
賃貸借終了時に、無条件に敷金の一部を差し引いて返還する
敷引き特約は、判例上無効とされています。
賃借人がそろえるべき証拠
- 賃貸借契約書
- 敷金預かり証
- 入居した当時の室内の写真
- 退室したときの写真
- 退室時に立ち会った者の報告書
- 費用に関する業者の見積書 など
通常訴訟か少額訴訟か
敷金返還請求訴訟は、争点が多いと考えられるので、
少額訴訟には不向きであると思われます。
しかし、現実には、もともとの訴額自体が低額であるためか、
少額訴訟で敷金返還請求訴訟が提起されているケースも多い
ので、個々の事案で検討する必要があるでしょう。
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